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冬眠について
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space冬眠と冬期飼育について
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「カメは冬眠するから冬の間は飼育する必要がない」とか、「冬眠させれば冬の間の電気代やエサ代が浮く」と考える人も少なくないようです。

先ず最初に述べておきたいのは、全てのリクガメが冬眠するわけではありません。

野生下において、冬期の気温が10℃以下になる地域に生息しているリクガメに冬眠の習慣があります。
従って、冬眠飼育については、当然、リクガメの種類、生息地域、個体によります。

愛亀が冬眠可能な種類である場合、冬眠をさせるか、一年を通して保温飼育するかは飼育者の判断に任せられます。ただし、冬眠可能な種類であっても、幼体、飼育まもない個体、病中病後の個体、食が細い、平均体重を下回っているなど生命力が弱い個体は、冬眠させずに保温飼育するのは言うまでもありません。

ホルスフィールドや東ヘルマンなどは、庭で放し飼いにしておくと土に潜って勝手に冬眠するというような話も聞きますが、だからといって、放っておいてもいいというわけではなく、また、何の問題もなく冬眠から明ける保証もありません。リクガメは日本に生息していない生き物であるため、日本で生きるためには、人間によって飼育環境が整えられることが絶対条件です。とはいえ、冬眠環境を含め、その個体が生息する地域の通年の気候変化を人工的に再現するのは不可能です。冬眠に際しては、冬眠場所(用具)の準備、冬眠前の体調管理、冬眠中の定期的なチェック、冬眠明けの立ち上げまで、かなりの知識を必要とします。

無有は我が家に来て3度目の冬(2010年現在)を越しましたが、冬眠させたことはありません。しかし、一年中成長期?のような環境はどうかと私自身が疑問に感じるので、通年保温ではありますが、冬期はケージ内の温度を春〜夏に比べ低く設定しています。今までは赤ちゃんだったので、下げても1〜2℃程度であまり温度差をつけずに飼育していましたが、今後身体が大きくなれば、もう少し温度差をつけてもいいかと考えています。無有は冬眠こそしませんが、秋〜冬にかけて自然に活動量も食欲も落ちます。普段から汚れた時以外温浴の習慣もありませんし、無理に代謝を上げて食べさせるようなことはせず、多少体重が落ちても(具合が悪い場合は別です)また暖かくなって活動量が増すまで、注意深く見守るようにしています。

冬眠させるメリットとして、病気になりにくい、繁殖がうまくいくなどという説もありますが、どれも冬眠との関係ははっきり解明されていないようです。反対に、冬眠をさせたことにより体調を崩したり、死んでしまうこともあります。リクガメにとって冬眠の失敗は命取りになりかねません。野生下でも、一年を通して気温が高い地域に生息する個体は冬眠をしません。野生のリクガメにとって冬眠とは、活動を停止し、代謝をぎりぎりまで下げることにより、厳しい環境をなんとか生き延びる…いわば命がけの選択、行為なのです。そして、生命力が弱かったり病気の者は淘汰され、強い者だけが翌春また命を謳歌することができるのです。無有はリクガメとはいえ、人間に飼育されている以上野生ではありません。飼育下で野生下と同じリスクを負わせる必要はないと私は考えています。

無有がギリシャリクガメであることも冬眠をさせない理由の一つです。

ギリシャリクガメは亜種が多いうえに分布範囲が大変広く、その個体の適正環境を正確に把握するのは難しいようです。例えば、トルコギリシャは冬眠可能とされていますが、アラブギリシャは冬眠しません。また、たとえ同じ亜種でも生息地域により、冬眠しない、夏眠するなど、かなり個体差があるようで、最近では、その個体の輸入元(=生息地域)、適正環境がよほどきちんと判明していない限り、ギリシャは冬眠させないほうが無難とされています。

「冬眠にチャレンジしたが失敗して☆になった」というような書き込みを時々目にします。他のペット、たとえば犬や猫ならどうでしょうか。命を落とすかもしれないことをわざわざ実験的にさせるでしょうか?もちろん、飼育者の中には毎年上手に冬眠をさせている方もいらっしゃいます。けれど、私にはそこまでの知識も自信もありません。失敗しない『冬眠セット』でも発明されない限り?、ひょっとして可愛い無有が目覚めなかったらと思うとチャレンジなどできません。

私個人としては、たとえ元気な個体でも、飼育者によほどの知識と自信がない限りは、興味本位や過信から安易に愛亀の冬眠にトライするべきではないし、人間が飼う以上は、ペットとしてカメが毎日安心して健康に暮らせるよう世話をするのが飼育者の一番大切な務めだと思います。 当然、 「冬の間飼育しなくてもよさそうだから」(上記のように、冬眠前から冬眠明けまでそれ相応の体調管理と観察が必要であり、冬眠させておけば飼育しなくてすむということは決してありません。)とか、「電気代やエサ代が節約できるから」という理由で安易に冬眠させるのは論外です。飼育にはそれなりの手間と費用がかかることは承知でカメを迎えたはずです。冬眠に失敗して医者にかかるようなことになれば、それこそ、もっとお金も世話もかかることになります。

最後に、命あるものです。自分の元に迎え入れた以上は、家族の一員として最期まで責任を持って飼ってくださることを、心からお願いします。


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